タデウ・ホマーノ – Thadeu Romano

Thadeu

アコーディオンという名前でも知られている楽器、サンフォーナ。空気を振動させて音を出す楽器、そのハーモニーは、「蛇腹の付いたハーモニカ」、「手回しオルガン」などとも親しまれ、ブラジルの様々な地方音楽のトレードマークだ。

ルイス・ゴンザーガ、ドミンギーニョス、オズワルジーニョ、シヴーカ、マリオ・ザン、トニーニョ・フェハグッチ、レナート・ボルゲッティ、オスカー・ドス・ヘイス、その他多くの巨匠達によって千載不朽になったこの楽器は、ダンスパーティやフェスタにも欠かせない存在である。又、サンフォーナは多彩かつ幅広い音色を持ちポピュラー音楽からクラシックまでこなせる非常に豊かな楽器である。

ミュージシャンであり作曲家でもある、アコーディオン奏者タデウ・ホマーノは、15歳から音楽理論の研究を始め、クラシック音楽の教育を修了する前から、コンサートに招かれて演奏していた。楽器そのものの魅力と彼の音楽的センスの高さから、ビビ・フェレイラ、アントニオ・ノブレガ、ダニロ・カイミ、マリーナ・デ・ラ・リヴァ、ホベルタ・ミランダ、ジジ・ポッシ、ジェラルド・アゼヴェド、ファビオ・ジュニオールなどの偉大なミュージシャン達と共に演奏するようになった。

ドミンギーニョス、オズワルジーニョ・ド・アコーディオン、トニーニョ・フェハグッチ、フェルナンダ・ポルト、ペリー・ヒベイロなど、全員の名前は書ききれないが、彼らと共に歩んできたキャリアの中での学びが、タデウを作曲の道に進ませ、豊かな音楽的経験を裏付けた。

タデウ・ホマーノはその後、シヴーカの影響で「ブラジル音楽はレッテルに縛られない」という事と、バイアォン、ショーロ、ワルツ、シャマメ、ミロンガ、ガフィエラ、サンバ、ルーツ・セルタネージョのような「様々なリズムの定義があるが、いろいろな物に形を変えて受け継がれている」事に気が付いた。

タデウはまた、ブラジル音楽文化ではミュージシャン達が様々なジャンルをミックスする事にそれほど抵抗がないという事にも気が付いた。ブラジル音楽を代表する少数のミュージシャン達がユニークな音楽スタイルの定義に情熱を注いでいるのだと。

そのようにして、タデウは世界の様々な国からブラジルにやって来た人たちの文化的貢献を、彼の作品に反映させてみたくなった。

音楽プロデューサーのスワミ・ジュニオールに触発され、タデウは彼のファーストCDを一緒にレコーディングする事を引き受け、10人の作曲家を選んだ。それぞれ選ばれた作品レパートリーは、伝統的なリズムの中に現在の新しい音楽の形を紹介する事が命題となる。

「Da Reza à Festa(祈りから祭り)」は長年の研究の成果であり、遊び心に溢れたミックスジャンルの試みから形作られ、サンフォーナの伝統と新しい可能性を発見するために出来たCDと言える。

スワミ・ジュニオールとの音楽制作では、トニーニョ・フェハグッチ、フランソワ・デ・リマ、ルイス・ゲロ、ラエルシオ・ヂ・フレイタス、カルロス・マルタ、ゼ・ピトコ、ホドリゴ・サーテルも参加している。

「Dá Reza à festa」はPROAC(文化行動プログラム)賞のサンパウロ州文化事務局2015年版を受賞。
2016年には、30日間にわたるヨーロッパツアーの中でアムステルダム、バルセロナ、パリの劇場でのCD発表イベントが行われ販売された。
さらに2017年にはブエノス・アイレスのデルタ、ティグレ島(アルゼンチン)と、オーストラリアのパース・ジャズ・フェスティバルでも販売された。

Yamandu Costa & Thadeu Romano
Sentimento – Thadeu Romano